TOKYO

セミナー開催報告 vol.3

「時代のニーズをつかむ“東京に立地するメリット”」開催報告

東京都は2019年2月1日、都内で「東京都企業立地セミナー2019」を開催しました。モノづくり日本会議の藤元正実行委員会委員長が基調講演を、国立市でおしぼりの製造・レンタルを手がけるFSX(東京都国立市)の藤波克之代表取締役社長兼CEOが特別講演を行いました。また、事業拡大や工場の進出を検討する企業等に対して、大田区と八王子市まちづくり公社が大規模事業用物件を紹介しました。

時代の変化に応じた立地戦略が重要

主催者である東京都産業労働局の坂本雅彦商工部長は、冒頭のあいさつで「消費者の購買・生活スタイルの変化に伴い、創業場所や企業立地の選択にも変化が起きている。情報通信技術(ICT)の拡大やインターネット利用者の増加でバーチャルの取引は増える一方で、ウェブと実店舗を連携させる事例も現れている。立地は事業の基盤。企業の立地戦略に合った情報提供やオープンイノベーションの推進を図りたい」と述べました。

東京が持つ可能性

<モノづくり日本会議・藤元正実行委員会委員長>

日刊工業新聞社内に事務局を置く、モノづくり日本会議の藤元正実行委員会委員長(=写真)は、「東京から世界へ発信、未来のモノづくり」と題して基調講演を行いました。世界都市ランキング3位に位置する東京で事業展開する上での魅力について、交通アクセスの良さ、高いレベルで整った事業環境、市場(マーケット)の大きさ、事業活動を支える資金面の支援、連携企業の多さと多様性、豊富なR&D拠点などといった多方面の視点から、事例を交えてお話しされました。その中でも、レベルの高い大学の存在に注目し、「都内には、全大学の約2割が集まっている。このことは、『研究開発都市』として、国内外から企業や優秀な人材を集める大きな魅力となっている。」としました。

事例紹介では、モノづくり分野での連携やベンチャー企業育成、都内に研究・開発や生産の拠点を持つ大手企業・中小企業や外資系製造業などの動向をお話しいただきました。藤元氏は「地価や人件費といった課題は残るものの、東京は、新しいビジネス創出に必要な人とアイデアのつながりを生み出す場所として大きな可能性を秘めている」としました。

大田区、八王子市における大規模事業用物件の紹介と企業立地の利点PR

(写真上)<大田区・眞野昌子産業振興課工業振興担当係長>
(写真下)<八王子市まちづくり公社・守屋清志事業担当参事>
 

都内自治体による大規模事業用物件の紹介では、大田区と八王子市まちづくり公社の担当者が登壇しました。

大田区は、2019年6月に完成予定の「(仮称)インダストリアルパーク羽田」を紹介。眞野昌子産業振興課工業振興担当係長は、「区が施設の一部を借り上げ、工場を24時間操業できる産業支援施設として提供する予定。陸・海・空の結節点であり、圧倒的なアクセス性を誇る場所として好立地の物件だ。羽田から日本全国、世界各国へ繋がる産業発信拠点として活用してほしい。」と魅力をアピールしました。

一般財団法人八王子市まちづくり公社は、首都圏中央道連絡自動車道(圏央道)の八王子西インターチェンジ付近で約30ヘクタールの産業用地を整備する「川口土地区画整理事業(組合施行)」を紹介しました。八王子市まちづくり公社の守屋清志事業担当参事は、「この産業用地の特徴は、都心部・主要都市へのアクセスの良さや事業継続計画(BCP)との好相性、労働力の確保のしやすさなど。2021年度には都の産業交流拠点も八王子駅の近くに完成予定であり、展示会などで企業間交流がさらに活発になる」と語りました。

おしぼりメーカーが語る国立市の利点

<FSX株式会社・藤波克之社長>

FSX株式会社(東京都国立市)の藤波克之代表取締役社長兼CEO(=写真)は、「国立発、世界初。おしぼり文化を世界に広める挑戦」と題して特別講演を行いました。おしぼりのレンタル業を手がけてきた同社は、2010年の本社機能と工場の分離を機に、生産性の改善や新製品開発に着手。高機能の製品や関連機器の開発を進め、縮小傾向にあったおしぼり業界に新風を起こしています。

藤波社長は、「東京都のほぼ中心に位置する国立市は、鉄道や高速道路を通じて都心や周辺の主要都市へ容易にアクセスできる。また、日本で4番目に小さい市であるが、都内でも有数のベッドタウン。閑静な住宅地が多いことから、国立周辺エリアには優秀な人材が眠っている。特に、女性活躍の拠点になるだろう」と期待を寄せます。加えて、「国立市を含む多摩地域は国内屈指の大学数を誇り、電気・電子機器及び精密機械の企業も集積するエリア。優秀な人材の獲得や、企業・大学との連携推進においても好材料。」と語りました。

さらに、「多摩地域は、高尾山をはじめ外国人観光客(インバウンド)向けの観光産業が盛り上がっている。今後は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催や橋本駅(神奈川県相模原市)でのリニア新駅開業なども控えており、外国人向けのブランディングに取り組みやすくなる地域である。」としました。

歴史好きの藤波社長は、「どのような物流でどうやって前線を支援するか。根拠地の選択は重要だ。長期的な視点で考えた時に、国立市は自社にとって追い風となる場所だ」と評価。「“地の利”を生かしてさらなる飛躍を図っていく。」と語りました。

当日は、事業者の方を中心に多くの皆様にご参加いただき、東京都の企業立地施策について広くご紹介いたしました。